たとえば今現在多くの住宅が高気密・高断熱工法で造られています。高気密というのはそれ自体としてはあまりいいものではありません。なぜなら、高気密とは外部と空気が通わないことが理想なわけですから、人間の体にいいはずがありません。
高気密は人間にとって良くないばかりでなく、建物にとってもあまりいいものではありません。どんなに高気密でもどこかに空気が入り込む隙間はできます。すると、いったん壁の中に入った湿った空
気が、今度は気密性のゆえに外に排出されにくくなり、木材が腐る原因になってしまうのです。
高気密住宅は、自然の換気量が少なく隙間がないため、室内から放出されるホルムアルデヒドなど有害物質が放散されにくく、健康に害を与えるといわれているのです。そしてそれは、シックハウス病の原因の一つとも言われています。有害物質は、住宅に使用される合板や内装材、内部建具、そして家具からも多く放散されています。
そのような住環境で、快適に健康的に暮らすことができるでしょうか。これらの問題は、それだけでは済まず、心の問題や家族関係の問題へ発展していく場合もあります。
また、空気の移動が少なくなるため、必然的に空気が汚れて湿度による結露、ダニの発生などの問題も起こります。それらを防ぐためには計画的な換気が必要だとされています。
しかもそれは適当に窓を開けるといったレベルではなく、季節に合わせて24時間、適切な換気を行うシステムが不可欠であるとされています。常に計画換気が必要であり、空調機に除湿機能が付いているとは言え、100%機械に管理される生活が続くわけです。それが、人間らしく暮らす住環境であるといえるのでしょうか。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。それは住環境のことに対しての情報が不足していたり、誤って理解していたりするからだと思います。そしてそれらのことにより、さまざまな問題が起こっているのだと思います。
私たちは家族が幸せに暮らすことが何よりも大切だと思っています。それには家族を取り巻く住環境が大切だと思っています。
そこで私たちは「 特定非営利活動法人 住環境健康情報ネットワーク」を設立し、家族を取り巻く住環境や健康に対する情報提供や相談・助言等の活動を行うことにより、広く公益に貢献しようとするものであります。
私たちは営利を目的とせず、情報提供や相談・助言等を受けた人たちを賛助会員として活動していき、より多くの人たちに幸せな暮らしをしてほしいとの観点から、特定非営利活動法人の設立が望ましいと考えています。
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